発達障害の方は春や秋といった季節の変わり目になると手に負えなくケースがあります。その症状はさまざまで普段よりこだわりが強くなるケースもありますし、気が短くなることもあります。また、ぼーっとして動けなくなることもあります。

季節の変わり目にあらわれる症状

私たち定型発達の人間でも季節の変わり目というものは体調を崩しやすいのですが、発達障害の方の場合は顕著にその症状があらわれます。

特にお子さんのうちはその症状が大きくあらわれ、成長するとともにその幅はせまくなるようです。

人によってあらわれ方は違いますが、体調がすぐれない、頭がいたい、寝付けない、起きられないという症状があらわれることもありますし、精神面で不調になることもあります。

また、お子さんの場合は、いつもよりこだわりが強くあらわれることもありますし、ぼーっとするなど思うように身体が動かなくなることもあります。また、そのことを注意するとイライラし怒ってしまうこともあります。

発達障害の方も思うように動けなくつらい状況なのですが、周りもその状況を見ていてつらいですし、場合によってはイライラし疲れてしまうこともあります。

それでは、どうすることがよいのでしょうか。

刺激を減らす(幼少期・児童期)

年齢が小さなお子さんの場合は症状が強くあらわれますので、なるべく無理をさせないということです。

部屋のなかもレースのカーテンをつけ強い光が長時間部屋に入ることを防ぎ、テレビやスマホ、タブレットなどの使用も控えると音や光、映像情報といった刺激を遮断できますので、興奮しづらい状況になります。

また、不調な時期はショッピングセンターやモールといった人混みには連れて行かない方が賢明です。外出するのなら、人混みは避け、多少走ろうが大きな声をだそうが問題ない場所へいくと、下手な緊張状態を招かず安心して時間を過ごすことができます。

家でぼーっとしていたいのならぼーっとしていることも大切です。

この時期は、強制的に何かをさせるということはできませんので、いつもよりゆっくりのペースで生活が進むことを周りも覚悟しておかなければなりません。

朝、なかなか動けず登園登校ができないのであれば少し遅れる旨を保育園や学校に伝えておくことも大切です。

幼稚園保育園の頃は、まだ身体が小さいので抱っこして無理やり登園することもできますが、小学校以上になってしまえば身体の大きさから力業で登校させることはできません。

かと言って、注意しても本人も行かないといけないことはわかっているのに、身体が言うことをきかない状態ですので、精神的に追い詰めてしまうか、家族関係が悪くなってしまうだけです。

年齢が上がるにつれ、良くなりますので義務教育のあいだは練習期間だと思って周囲も温かい目で見守る必要があります。

宿題なども提出期限を延ばしてもらうなどして、あまり時間的にギリギリな生活はしないほうが心に余裕も持てます。

不調が続く場合は休息も~青年期~

青年期に入ると季節の変わり目でこだわりが強くなる方もいますが、なんとか動ける方も多くいます。

ですが、その場合にでも、頭が回らない、集中できない、眠れない、精神的に落ち込んでしまうことがあります。

また、体温調節が苦手ということからも服の調整が難しく風邪を引きやすいという傾向もあります。

気圧の変化や気温差を敏感に感じ、なかなか身体が適応できないという特徴がありますので、身体が限界を感じてきたら会社や学校を休むという判断も必要になります。

休日はしっかり休息をとり、体調が悪くなってきたらあらかじめ休みを申し出るなどし対応していくようにすると、周囲にも大きな迷惑をかけずに済みます。

可能であればスケジュールをゆったりと組むことがベストなのですが、季節の変わり目は仕事も忙しく、行事も多い季節ですので、なかなかスケジュールをゆったり組むことができない時期でもあります。

ですので、休日くらいは家でゆっくりやすみリラックスすることが大切です。

最終的手段は?

こちらは大人も子供も同じになりますが、普段、心療内科で処方を受けていない場合は、季節の変わり目だけでもお薬を処方してもらい日常生活を維持するという手段もあります。

必要な時、頓服で服用できる処方薬もありますので、心療内科に相談すると良いでしょう。

普段は薬を服用するほどでもない、薬の副作用が心配、薬には頼りたくない、いろいろなお気持ちがあると思いますが、本当につらい時は薬の力を借りてもよいのではないでしょうか。

ボイスカウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)

まとめ

発達障害~季節の変わり目はぼーっとする~
季節の変わり目にあらわれる症状
刺激を減らす(幼少期・児童期)
不調が続く場合は休息も~青年期~
最終的手段は?