これまで、ギフテッド私立中学 受験は「のびのびと中高生活を送れる」ことから、中学受験という選択もある、と書いてきました。

ですが、昨年から状況は変わり、2022年度をみても状況が一変しているという印象を受けています。

コロナ渦での受験者数の増加

やはり、コロナの影響で受験者数が増加し、過去最多になったこと、また安全志向から普段であれば最難関校を受験する子ども達が難関校を受験することで雪崩(玉突き)が起きている様子が各塾の合格者数からうかがえます。

また、追試を行った学校では、追試分を見込んで普段より合格者数自体がかなり減らされている様子も見受けられます。

玉突きが起きると、最難関校に受験する子たちが難関校を受験するので、難関校に合格するはずっだった子たちが上位に合格し、上位校に合格するはずだった子たちが、中堅校の学校に合格し、というカタチにずれ込み、最終的には全落ちする子が結構な数、でてくるということになります。

正直なところ、この状態で2022年度入試は受験者数まで増加したわけですから、全落ちの子もあちこちにおり悲惨な状況です。

試験で問われる能力とギフテッドの能力の違い

これまでの入試であれば、6割り~7割りできていれば合格できましたので、ギフテッドの子がテコでも勉強をしない教科があったとしてもほぼ合格できたと思います。

ですが、受験者数が増加し、最難関校からの雪崩(玉突き)が起きている状況ですと、1問のミスが致命的な結果を招くこともあります。

特に追試分を確保して、少なめに合格者をだしている学校では1問というのは大きな失点になります。

ですが、人間ですから計算ミスや転記ミス、問題の読み間違え、誤字脱字、漢字の度忘れなど、1教科2問程度のミスはなかなか防ぐことができません。

試験で問われる能力は、正確に問題を解いていく力です。ですが、ギフテッドの子ども達は、嫌いな教科はテコでも手をつけませんので、ギリギリになり仕方なく手をつけてなんとか受験に間に合った、という感じではないでしょうか。

また、ギフテッドの子供たちの興味は「学び」「探求心」「知る」というところにあるので、正確に解答する解答力には興味を持ちません。

ある程度の年齢になれば攻略するのですが、小学生という発達段階ではゲーム感覚で楽しめる子もいれば、点数を取るということに興味を示さない子もいるので難しいです。

ギフテッドの能力と、入試の解答力は違います。

それでも、コロナ前であればまだ良かったのですが、コロナ渦での受験では1問のミスが合否を左右するので、ギフテッドとしての能力よりも、抵抗せず解答力を磨ける子の方が受験では強くなります。

それではどうすればよい?

現状、できる対応としては偏差値ではなく、偏差値に関係なく自由な校風の学校を受験し、学校以外の場所で得意分野の才能をつぶさないように伸ばしていくしかないのかもしれません。

もしくは、偏差値に関係なくスーパーサイエンスなどを取り入れている学校を受験するという手もあります。

一部大学機関では、ギフテッドの子供たちを集めた取り組みをおこなっている機関もありますので、もしお近くになるようでしたら、問い合わせてみても良いと思います。

ボイスカウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)

まとめ

ギフテッドの私立中学受験
コロナ渦での受験者数の増加
試験で問われる能力とギフテッドの能力の違い
それではどうすればよい?