3か月のあいだ、新型コロナウィルスによって学校が休校(休講)になり教育格差が叫ばれています。オンライン授業で対応した学校や塾もありますが、そもそもオンライン授業には向き不向きがあり、授業の質が問われます。
オンライン授業は有効なのか?
そもそもオンライ授業をするためにはデバイスの用意と、安定したインターネット環境が必要になります。例えば、インターネットの速度や容量制限などです。
例えデバイスやインターネット環境がそろったとしても、動画授業やオンライン授業には向いている子と向いていない子がいます。
特にお子さんの場合ですと、あまり長い時間は集中力が続きません。ですので、子供を引き付ける動画を作る必要がありますし、ライブで授業を行うにしても対面ではない分、子供を飽きさせないための技術が必要となります。
もともとオンライン授業や動画授業を展開している塾の映像授業をご覧になった方もいらっしゃると思いますが、授業がとても面白いということに気が付かれたかと思います。
動画授業のために試行錯誤し作成された授業と、慌てて作った動画授業とではまったく工夫の仕方が違います。
また、単調な動画授業を集中して見ていられるお子さんも少ないかと思います。
ですので、教育格差が付くとしたらオンライン授業の有無よりも、休校中にこれまでのカリキュラムの復習をし、基礎力を固めたかという点が大きいのかもしれません。
もし、オンライン授業を受けたのでしたら、それはインプットしたに過ぎませんので、オンライン授業後、十分な演習量をこなし、カリキュラムの範囲を網羅していなければなりません。
30度を超す中、マスク着用での登下校?
6月より多くの学校が再開されましたが、授業の延長や夏休み短縮など子供達にとって負担の大きなものになりました。
3か月間の自粛により体力が衰えたお子さんも多くいます。さらに、30度を超す気温のなかマスクを付けての登下校、それは普段以上に子供達の体力を奪います。
特に統廃合され学校が遠くなってしまったお子さんや、都市部のアスファルトの照り返しやエアコンや車からの熱風の強い地域では、登下校だけでも大変です。
そこに授業時間の延長ですから、今はまだ学校へ通うだけで精一杯というお子さんも多く存在します。
ですので、十分に家庭学習を行い、カリキュラムの定着と考えた場合にはなかなか厳しいものがあります。
学校再開後の進度がはやい?
ただでさえ、体調が整わないお子さんも多いとは思いますが、3か月分のカリキュラムを取り戻そうと、学校では進度の早い授業が行われています。
体調が悪く欠席をしたら、もう次の単元に進んでいて「授業がわからなくなってしまった」ということもありえます。
また、進度が早い分、宿題も以前より多くなっている学校もあります。
確かに授業進度を早め、宿題をだせば、「カリキュラムをこなす」という点では有効かもしれませんが、「定着(学び)」という点ではあまり意味のないものになってしまうかもしれません。
例えば、同じように授業進度の早い進学塾では、1日で1つの単元を終えてしまいます。ですが、復習できる期間が1週間あります。その1週間で子供達は何度も演習問題を繰り返し、授業内容を定着させます。
ですので、学校の授業進度を早めても、じゅうぶんな演習問題が解けず、その時は理解したつもりでも、1か月後には覚えていないという事態も発生しかねません。
これでは、本当に教育格差を招いてしまいます。
では、教育格差を招かないためにはどうしたらよいのでしょうか。
コロナで教育格差を招かないためには?
現状、3か月コロナで学校が休校になり、カリキュラムの遅れを取り戻すため授業時間も延長され、長期休暇も短縮されるという事実は変わりません。そして、また授業時間の延長により十分な家庭学習の時間がとれないという事実もかわりません。
それでは、どうしたら効率よく家庭学習を進められ、カリキュラムの定着をはかれるのでしょうか。
もし、こまめに復習ができるようでしたら、週末をつかい1週間分の授業の復習をすることです。
このとき、すべてをこなそうと思えばやりきれなくなりますので、算数なら基本問題だけ、国語なら漢字と文法、文章問題を1つ、理科社会も必要用語だけと絞り込んでしまうと良いでしょう。
中学生も同じように基本問題だけを繰り返し解くようにすると基本は頭に入ります。
こまめに時間がとれないようでしたら、夏休み中に復習をしてしまうのがよいでしょう。
もし、授業内容を覚えていないようでしたら、単元を検索すると10分~15分程度にまとめられた無料動画がたくさんネット上にありますので、そういった動画を視聴してから学習に入るとわかりやすくなります。
動画を探すときのポイント
- 10分程度、短めにまとめられているか。(長いと飽きます)
- 十分な学習内容か(知識量が教科書をカバーしているものか)
- 話しの速度が子供に合っているか。(早口の先生もいれば、ゆっくり話す先生もいます)
- 倍速機能があるか。(わかっている部分は早く、わからない部分は通常速度にすると便利)
コロナで教育格差というより、現状の進度の早い授業ではどうしても教育格差を招いてしまいます。
ですので、授業がわからなくなってしまった時には、無料動画授業を使うなど効率的に学習を進めていかなければなりません。
また、小学生も中学生も同じですが、時間がないからこそ応用問題には手を出さず、とにかく今は基礎問題だけでも徹底的にこなしておく必要があります。
ボイスカウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)
まとめ
コロナで教育格差は起こるのか?~進度の速さが教育格差をうむ~
オンライン授業は有効なのか?
30度を超す中、マスク着用での登下校?
学校再開後の進度がはやい?
コロナで教育格差を招かないためには?