
ギフテッド と アスペルガー は似ているようですが、まったく性質のことなるものです。
この性質を理解していないと、周囲と本人との間に溝ができてしまうことや、支援でしたら支援とニーズがあっていないということが起きてしまいます。
また、場合によっては重複診断を受けてしまうこともあります。
コミュニケーション能力という点でのアスペルガーとギフテッド
アスペルガー症候群は「コミュニケーション能力が欠如している」、「言葉を言葉通りにしか受け取れない」と一般的に言われています。
どちらかというと、自分の興味のある話題を一方的に話してしまったり、人の言葉をさえぎって自分の話をしてしまったり、場に合わない発言をしてしまったりすることもあります。
一般的には「少し変わった人」と思われることはあるかもしれませんが、気になるほどコミュニケーションがとれないということはありません。
どちらかと言うと、周囲に合わせなければならないアスペルガーの方の方が集団行動に疲れてしまうことの方が多いように感じます。
次にギフテッドですが、ギフテッドの場合も人間関係が上手くいかないことがあります。
大抵の場合は、コミュニケーション能力の欠如だと考えられていますが、実際のところは「相手の思考がわからない」というところから、「話す」という行為自体を遠慮しているように感じます。
「相手の思考がわからない」という部分は、想像できないというよりも、「合理的ではない。愉快ではない。」そういうところから来ているものの方が大きいように感じます。
例えば、お笑いひとつとっても、何を面白いと感じるかは育った環境や教育により大きく変わります。
ですので、学校や職場でお笑いの話になり、みんなが笑っているのに「自分だけ何が面白いかわからない」ということが起こります。
逆に自分が面白いと思うことは、他の人は興味がなかったりして、話題に入っていけないということがあります。
コミュニケーションが取れないというよりも、価値観や考え方が違って話題に入れないという表現が適当な表現なのかもしれません。
創造性という点でのアスペルガーとギフテッド
アスペルガーとギフテッドの 違い は創造性という点でもあらわれます。
アスペルガーとギフテッドはともに集中力が高く、知的好奇心や探求心が高いのですが、アスペルガーの場合は、興味の範囲が限定的です。
比べて、ギフテッドは興味の範囲がとても広く、論理的に考え共通する事項や類似点を見つけ、その上でそれらを応用するということを好みます。
勉強という点でみますと、アスペルガーのお子さんは反復練習をそれほど嫌がりませんが、ギフテッドのお子さんは反復練習や基礎問題を嫌がり、より難しい問題だけを好んで解く傾向にあります。
想像力の欠如からみたアスペルガーとギフテッド
アスペルガー症候群は想像力の欠如があると言われています。
それを「言ったりやったり」するとどうなるのか、ということが想像できない。または、想像できても「つい聞いてしまう、ついやってしまう」ということがあります。
ですが、ギフテッドの場合、あまり想像力の欠如というものはみられません。
逆に「人のことを考えてしまいすぎる」ということがあります。そして、それを言葉にしないため、周囲から「想像力が欠如している」と思われてしまうことがあります。
ギフテッドとアスペルガーは症状だけを見ると似ているのかもしれません。ですが、まったく性質の異なるものですので、アスペルガーだと思い接していると人間関係が上手く築けなくなってしまうこともあります。
ですので、ひとりひとりに合った接し方を見つけることが大切なのではないでしょうか。
ボイス カウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)
まとめ
ギフテッドとアスペルガーの違い
コミュニケーション能力という点でのアスペルガーとギフテッド
創造性という点でのアスペルガーとギフテッド
想像力の欠如からみたアスペルガーとギフテッド