自閉症アスペルガー 症候群も現在では自閉症スペクトラム障害とよばれ、区別されることはありませんせんが、会話のなかでは「自閉症」、「アスペルガー症候群」、「ADHD」という単語を使い、会話をする場面もみられます。

それでは、自閉症とアスペルガー症候群は何がどのように違うのでしょうか。

自閉症とアスペルガー症候群の似ている点

自閉症とアスペルガー症候群の似ている点としては、他者とのコミュニケーションの取りづらさ、想像力の欠如、限定的な興味などがあげられます。

コミュニケーションの苦手さ

他者とのコミュニケーションの取りづらさとは、自分の意思をうまく相手に伝えることができない、他者の話しを言葉通りに受け取ってしまいトラブルになることなどがあり、人とのコミュニケーションがスムーズにとれないことがあります。

想像力の欠如

想像力の欠如というのは、「これをやったらどうなる?」と、先のことを予測することが苦手であることもありますし、他者と自分との考え方の違いや受け取り方の違いがわからず、他者も自分が考えるように考えると思い込んでしまうなど、他者の気持ちを想像することが苦手ということがあります。

限定的な興味

限定的な興味とは、興味の対象が限定的であることなどがあげられます。

好きなものに対して、強いこだわりをみせることもあります。

例えば、絵を描くことが好きな場合は、些細な色の違いや、塗料の違いまで強いこだわりをみせます。

どういうことかというと、クレヨン、クーピー、クレパス、色鉛筆、水彩絵の具、油絵具など、これらのものが全く違うもので、何かがないからと何かを代用することができません。

自閉症とアスペルガー症候群の違い

自閉症とアスペルガー症候群の違いは、「知的な遅れがあるか」、「言語の遅れがあるか(発語の遅れがあるか)」という点です。

言語の遅れがある場合には「自閉症」となります。また、知的な遅れを伴うものは「知的障害を伴う自閉症」となります。

アスペルガー症候群は、自閉症ととてもよく似た症状があらわれますが、「言語の遅れ(発語の遅れ」があまりみられません。

また、知能指数も正常であり、ときには正常の範囲を大きく上回ることもあります。

アスペルガー症候群は見逃されがち

アスペルガー症候群は、知的な遅れを伴いませんので見逃されてしまうことがあります。

特にアスペルガー症候群のなかでも、おとなしくて受け身のタイプの場合は、物静かだと思われ、アスペルガー症候群だとは思われません。

また、元気の良いタイプの場合も、「元気の良い人だな」くらいで見逃されてしまいます。

そのため、大人になって生きづらさを感じ、心療内科を受診してみたら「アスペルガーと診断された。」ということが起きます。

言語の遅れ(発語の遅れ)や知的な遅れがある場合は、保育園や幼稚園、小学校などでわかることが多いのですが、そういった遅れがない場合は本人が生きづらさを抱えていても、気付かれず大人になってしまいます。

同じアスペルガー症候群でも、周りが「この人はこういう人だ。」という風に個性として捉えてくれている場合には、過ごしやすい環境に身を置いているわけですので、特に問題はないでしょうし、自分の得意分野の仕事に就いた場合でも大きな問題はないかもしれません。

ですが、そうではない場合にもし生きづらさを感じているなら、一度今後の人生を含めどうするべきか考えた方がよいかもしれません。

ボイス カウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)

まとめ

自閉症とアスペルガーは何が違う?~見逃されがちなアスペルガー~
自閉症とアスペルガー症候群の似ている点
自閉症とアスペルガー症候群の違い
アスペルガー症候群は見逃されがち