不登校 と聞くと、発達障害 を疑う方もいらっしゃいますが、発達障害が不登校の 原因 となることは稀です。
むしろ、発達障害のお子さんが不登校になったとしたら、それは発達障害の何らかの特性が学校というシステムに適合しなかった、ということなのかもしれません。
発達障害に知的障害は含まれない
知的障害は発達障害の症状のひとつと思われている方もいらっしゃいますが、基本的に発達障害と知的障害は別のものです。
なかには、発達障害でも知的障害を併発されているお子さんもいらっしゃいますが、発達障害単体でしたら知的障害はありません。
また、学習障害と知的障害も別のもので、学習障害があるからといって知的障害があるとはなりません。
一般的に不登校の原因として、「いじめ」や「勉強についていけない」などが挙げられますが、発達障害だからいじめられる、発達障害だから勉強についていけない、ということは必ずしも起こることではないのです。
発達障害だといじめられる?
発達障害の特性が原因で「いじめられている」というケースは稀です。
現代の子ども達は多様性に富んだクラスメイト達のなかで毎日を過ごしています。お互いがお互いの個を認め合い、助け合う、そういう環境で教育を受けています。
ですので、自分と違うからといって「排除しよう」とする動きは、あまりみられません。
稀に、流動性の少ない地域のなかには同調圧力により「いじめ」がおきることがありますが、発達障害が原因というよりも「個を認めない」という雰囲気に原因があるように感じます。
発達障害で不登校が起きるとしたら?
もし、発達障害で不登校になるとしたら、積み重なる不信感や精神的ストレスがあり、なにかがきっかけとなり、学校へ行けなくなってしまうケースです。
これは発達障害に限らず、誰でも起きる可能性のあることなのですが、発達障害のお子さんは人よりも敏感であり繊細であるという特性がありますので、本人も気が付かないうちにストレスを溜めているということはあります。
例えば、発達障害のお子さんが集団生活を送る場合、人並み以上に集中し、先生や友達の話を聞き、状況を把握しなければなりません。
友達に話を振られても良いように、なんて返事をしようか頭をフル回転させなければいけませんし、先生の質問に答えられるよう、答えも用意しなければなりません。
その他にも、味覚過敏や聴覚過敏、視覚過敏がありますので、学校生活の中でストレスが少しずつ蓄積してゆくこともあります。
その他にも、先生が怒っている理由がわからないときも恐怖を感じなければなりません。
そういう人間関係や環境下での緊張や疲れが蓄積し、そこに引き金になるような大きな出来事が起きてしまえば、不登校になるきっかけとなるのかもしれません。
ですので、あくまで発達障害だから不登校になるという単純な構造ではなく、長い時間をかけてくすぶっていたものが、大きな出来事により登校できなくなってしまった、というとらえ方の方が正しいのかもしれません。
ボイス カウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)
まとめ
発達障害の特性と不登校の原因
発達障害に知的障害は含まれない
発達障害だといじめられる?
発達障害で不登校が起きるとしたら?