親に介護が必要になったとき、要介護度が低いと、介護はそれほど大変ではないという印象をお持ちの方もいらっしゃいますが、要介護度が低い場合でも親の介護は大変です。

今回は、親の介護のなかでも母親が認知症を患った場合を考えてみます。

母親が認知症を患うと

ご両親の介護といっても、父親の介護と母親の介護では大変さが多少異なります。

現代男性は家事・炊事能力のある男性が多いのですが、現在高齢者と呼ばれる世代の男性のなかには「男子厨房に立たず(入らず)」と言われるように家事や炊事をこれまでやってこなかった世代です。

ですので、母親に介護が必要になった時、母親の介護だけではなく、父親の食事や身の回りのお世話までやらなければならなくなってしまいます。

このとき、もしご両親と一緒に暮らしていない場合はどうなるのでしょうか。

  • 特別養護老人ホーム
  • 高齢者向け住宅
  • グループホーム
  • 有料老人ホーム

など、様々な選択肢がありますが、どこかに預けるとなった場合はそれなりの費用とご家族の理解が必要となります。

特に認知症初期のように、要介護度が低い場合にはご家族の理解が得にくい場合もあります。

やはり、自分のことがまだわかり、多少の会話もでき、自分でお手洗いや食事ができるうちは、預けたくないと感じるご家族の方もいらっしゃいます。

ですが、初期といっても徘徊があることもあり、夜中にどこかに行ってしまうこともありますし、突然自分がどこにいるのかわからなくなってしまうこともありますので見守りが必要となります。

要介護度が低い場合には、デイサービスやヘルパー支援は週に1回、2回程度など多くは認められませんので、ご家族が見守りをする時間が長くなります。

こういうケースですと、ご両親だけで暮らしている場合には、父親の負担が大きくなり過ぎ、心身共に参ってしまいますので子供達の支援が必要となります。

親の介護のために離職すべき?

要介護度が低く、デイサービスやヘルパー支援があまり多くは受けられない場合には、ご両親が近くにすんでいる場合は、兄弟姉妹で代わる代わる様子を見に行くという選択肢もあります。

ですが、ご両親が他県に住んでおり、一人っ子の場合は、離職をしてご実家に戻られる方もいらっしゃいますし、ホームなどを検討される方もいらっしゃる、というのが現状ではないでしょうか。

そのどちらも難しい場合は、デイサービスとヘルパー支援を利用しながら、残りの時間はお父さんに家事・炊事・介護を頑張ってもらうことになります。

徘徊もありますし、散財してしまうことも、迷子になることもありますので、片時も目が離せず、精神的に参ってしまうこともありますから、電話で様子を聞くなどし、やり慣れない家事や介護でお父さんが参ってしまわないように精神面でサポートする必要もあります。

また、介護には費用も大きくかかりますので、必要であれば経済的支援も考えなければならないかもしれません。

親の介護で離職をすべきなのか、職を変えるべきなのか、引っ越すべきなのか、これらは人生における大きな岐路です。

どの選択肢を選択してもベストな答えはありません。

ご自身やご家族が納得した上で、介護の方法を決めることが最良な選択なのかもしれません。

ボイスカウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)

まとめ

親の介護~母親が認知症になったら~
母親が認知症を患うと
親の介護のために離職すべき?