ギフテッド と アスペルガー は誤診がおきやすいようですが、なぜそのようなことになるのでしょうか?
なぜ、誤診がおきるの?
誤診が起きる理由として考えられることは、まずDSMにギフテッドという診断名がないことがあげられます。
ですので、現れている症状だけをみてアスペルガーやADHDに分類してしまうということが起きているのかもしれません。
例えば、多動の症状が見られればADHD、忘れ物が多ければADHD、過集中やこだわりの強さが見られればアスペルガー症候群のように分類している可能性はあります。
ギフテッドは項目をチェックし、短い時間本人を観察しただけではわかりません。
親御さんの「発達障害の特性とは何だか違う気がする?」という違和感は大抵の場合、当たっている可能性が高いです。
お子さんが成長をし、物事を言語化できるようになると、その違いは顕著なものになります。
長期間、お子さんと関りを持つ親御さんだから感じる違和感なのかもしれません。
また、自閉症やアスペルガー症候群、ADHD、ギフテッドはまとめて「自閉症スペクトラム障害」という診断になりやすいこともあり、誤診とは言えない状況にもあります。
「そこをわけることに意味はない」というのが一般的な考え方ですが、ギフテッドにおいては発達障害の支援方法では対処できないという問題が起きてしまいます。
その辺りのことは、ギフテッドを育てていらっしゃるご家庭が一番感じていることかもしれません。
ギフテッドとアスペルガーの違いとは?
ギフテッドとアスペルガーは共に物事に対する集中力や知的好奇心が高く、こだわりが強いという共通点があります。
ここで大きく違うのは、アスペルガーの知的好奇心が限定的なものなのに対し、ギフテッドの探求心はあちこちに派生するという点です。
例えば、「昆虫」に興味のある子の場合、アスペルガーのお子さんは「昆虫」自体をたくさん調べて覚えていきます。どこに生息し、どのような特徴を持っているのか細かく調べることを好みます。
ですが、ギフテッドのお子さんの場合は、「昆虫」から「生態系」へ生態系から「環境破壊」へ、そこから「環境問題」まで派生してしまいます。
ギフテッドのお子さんの知的好奇心や探求心というものは限定的なものに留まらず、大きな枠組みを持ったものになります。
また、決定的な違いとしては「想像力」が挙げられます。
アスペルガーには「想像力の欠如」が見られますが、ギフテッドには「想像力の欠如」は見られません。
ギフテッドは「想像力がとても豊か」です。人の気持ちにも敏感ですし、周囲の状況を的確に察知し、自分がどう振舞うべきか判断する能力に長けています。
アスペルガー症候群とギフテッドは症状だけ見ると似たものが多いのですが、細かくみると全く性質が異なるものです。
ですので、ギフテッドのお子さんがアスペルガー症候群と診断を受けた場合、アスペルガー症候群に適した支援方法や関り方では上手くいかないということが起きてしまいます。
ギフテッドは病気でも障害でもありませんので的確な診断というものは必要ありませんが、親御さん自身がお子さんを観察し、お子さんに合わせたかかわり方を持つということがとても大切になります。
ボイス カウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)
まとめ
ギフテッドとアスペルガー、何が違うの?
なぜ、誤診がおきるの?
ギフテッドとアスペルガーの違いとは?