不登校 になったわが子。驚きや戸惑いと同時にお母さんの頭の中は「なぜ?」でいっぱいになるでしょう。そこから始まる 理由探し 。
お子さんや家族が再び笑顔を取り戻すための〝答え〟は、本当にそこにあるのでしょうか。
理由探しは必要か
不登校のわが子を目の前にして、どんなに手を尽くして理由を探そうとしても、結局はわからない、これが実情だと思います。
学校でいじめを受けている、勉強がついていけないといった明確な理由を、本人から聞くことができたとしたら、確かに対処の方法は見つけやすいでしょう。
ただ、もしそうであったとしても、本当にそれは、学校に行かない「理由」なのでしょうか。
もしかしたら、原因は別のところにあるかもしれません。「理由」ではなく、「引き金」にすぎないかもしれないのです。
そう考えれば、「理由さえわかれば、それを解決できれば」という向き合い方には、あまり意味はないのかもしれません。
お子さんが学校に行けなくなった根本は、もっと別のところにあり、そこから派生したさまざまな要素が「理由」となって、不登校につながっている、そういう捉え方はできないでしょうか。
ゴールの先にゴール
例えば、いじめ問題は無事解決され、勉強の遅れもフォロー体制が整った。やれやれこれで学校にも行けるようになるだろう。そう思っていたら、またしばらくすると、わが子の足は学校から遠ざかってしまう。
よく聞く話です。でもそんな状況も、上に書いたことに照らせば、けっしておかしくはない現象だと言えると思います。
それならば、理由探しはいっそやめてしまいませんか。理由の先に解決を見出すのではなく、ゴールを、まったく別の場所に置いてみるというのはどうでしょう。
ゴールの場所を変えるとは、ものの見方を変えてみるということです。
理由を見つけて、解決して、とにかくわが子が学校に戻す、そこにゴールを置きたくなるお母さんの気持ちはよくわかります。
でもここでちょっと視点を変えてみてください。果たしてそこだけがゴールなんだろうか。
実は別のところにもゴールはあって、そのゴールを目指して歩いていたら、その先に、望んでいたゴールが見えた。
不登校の苦しみを一緒に乗り越えたお母さんたちと話をしてきて、よく耳にするケースです。
解決のヒントはあらゆる場所に
今お子さんは何を望んでいるのか、お母さんにとって、家族にとって、どうあることが一番嬉しいのか。
例えばそんな問いを、日常生活、日々の会話、家族間の空気など、さまざまな要素の中から探してみる。
それは実は、お母さん自身の苦しみの〝糸〟をほぐす作業でもあるのです。
理由探しや未来の心配ではなく、お子さんやお母さん自身の「今」を、幅広く見渡してみる。
そんな視点を持つことから始めると、納得のいくルートで解決のゴールまで道のりを歩くことができるのではないでしょうか。
ボイス カウンセラー
飯村 小豆(いいむら あずき)
まとめ
理由探しをしてもわからない不登校
理由探しは必要か
ゴールの先にゴール
解決のヒントはあらゆる場所に