発達障害の方によくみられる症状として片頭痛が多いということがあげられます。
感覚過敏や気圧の変化が原因となる場合もありますが、どちらかというと体温調節が苦手ということが原因となっている可能性もあります。
脳内のなんらかの物質が不足し、体温を上げる、下げるといった機能がうまく働いておらず、片頭痛を引き起こすとも考えられます。
発達障害の方に、なぜ片頭痛が多いのか、その確固たる理由はまだ明らかにされていませんが、治し方にはいくつか種類があります。
片頭痛の予防
体温調節が苦手なため暑いと片頭痛が起きてしまう場合には、体が熱くなりすぎないようにほどよく冷やすことが必要です。
日中でしたら、「首もと氷ベルト」や「冷却ベスト」を使用することも有効です。
冷却ベストは「お子様サイズ」のものも販売されていますので、お子様も使用することができます。
「首もと氷ベルト」や「冷却ベスト」を購入する際の注意点としては、保冷剤がジェル状のものをおススメします。
保冷材の中身が液体ですと、解けた際に濡れますので感覚過敏のある方は気持ちが悪く感じることもあるかもしれません。
「冷却ベスト」用の保冷材のなかには、プラスチックバックのものがありますが、包装がアルミのものもありますので、アルミのものを使用した方が破れにくく、解けた際のベタベタ感があまりないのでおススメできます。
また、保冷材には1時間から3時間ほどの効果がありますので、替えの保冷剤を保冷バックに入れ、解けたら交換すると体が熱くなることを防ぐことができます。
会社の場合でしたら、会社の冷凍庫に替えの保冷剤を保管させていただくこともできますし、学校であれば養護の先生に相談することもできます。
夜間は、「アイスノン」や「保冷マット」を使用すると体が熱くなりすぎません。
ですが、体温調節が苦手な方ですと、冷えすぎてしまうと自分で体温を上げることができず、体温が下がり過ぎてしまうこともありますので、夜間の保冷材の使用には注意が必要です。
夏も冬も片頭痛
暑くて片頭痛が起きてしまうのは夏だけではありません。冬も暖房の温かさから片頭痛が起きることもあります。
特に公共交通機関や商業施設は暖房がよく効いており、片頭痛が起きやすい環境ともいえます。
また、お子さんの場合ですと進学塾などの塾でも、頭を高速回転させるので頭に熱がこもり片頭痛が起こることもあります。
冬でも暑くて片頭痛が起きてしまう方は、外では重ね着をし、中では脱げるようにしておくと体温調節がしやすいです。
それでも暑い場合は、保冷剤を少し減らし「冷却ベスト」を内部に着ることもできますが、体温が下がり過ぎないよう気を付けなければなりません。
片頭痛に薬は有効?
片頭痛があまり頻度に起きる場合には片頭痛を予防するお薬が頭痛外来から処方されることもあります。
副作用が気にならないようでしたら、予防薬を使用することで片頭痛の回数を減らすことはできます。
服用で「気力がなくなってしまう」ことや、「食欲がわかない」と、いうこともありますので、副作用と片頭痛の軽減度をみて、お医者さんと決めるとよいでしょう。
通常の頭痛薬は、起きてしまった頭痛を抑える薬(対処療法)になります。
こちらの頭痛薬は、頭痛が起きてしまってからではあまり効きませんので、頭痛の前兆症状があらわれたら服用するよう医師から説明があることもあります。
前兆症状は人によって異なり、黄色や黒などの色が見える方や、モノが欠けてみえる方など、さまざまです。
ですので、頭痛が起きる前にどのような症状が共通して起こるのか気に留めておくとよいでしょう。
お子さんの場合は、お子さんがよく言うことを覚えておくようにすると共通する前兆症状をみつけることができます。
たとえば、「黒い人が見える。」と、言ってしばらく経つと片頭痛が起きるなど、決まったパターンがありますので、お子様の発言を覚えておくようにしてください。
片頭痛の治し方
予防をしても片頭痛が起きてしまったら、とにかく「睡眠をとる」ことです。
無理に起きていると吐くこともありますので、3時間ほど睡眠をとってください。
片頭痛が軽いうちでしたら数時間の睡眠でよくなります。
片頭痛が始まって時間がたっている場合には数時間の睡眠では良くなりませんので、目が覚めたときに具合がよくてもすぐに気持ちが悪くなります。
ですので、目が覚めても水分をしっかりとって、寝てしまう方が得策です。
なぜ、発達障害に片頭痛が多いのか?
発達障害の方に片頭痛が多い理由として考えられる項目は、気圧の変化に敏感であること、感覚過敏があること、脳内物質の調節が難しいこと、などがあげられますが、もうひとつの原因として、熱中症になりやすいということも考えられます。
発達障害の方は感覚鈍麻がありますので、喉の渇きに鈍感な方もいらっしゃいます。また、疲れを感じにくいという特性からよく動きます。
ですので、声掛けなどがないと飲み物を飲み忘れる、休憩を取り忘れる、といったことから熱中症になりかけ、片頭痛がおきるとも考えられます。
また、お子さんの場合ですと、運動会や学園祭などの行事や、行事の練習も過度なストレスとなり片頭痛が起きる原因と成り得ます。
片頭痛といっても予防できるものと、予防できないものがありますので、予防できるものは予防すると生活の質は向上するのではないでしょうか。
ボイスカウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)
まとめ
片頭痛の治し方~発達障害に多い片頭痛~
片頭痛の予防
夏も冬も片頭痛
片頭痛に薬は有効?
片頭痛の治し方
なぜ、発達障害に片頭痛が多いのか?