
毒親とはどのような親のことでしょうか。例えば、虐待やネグレクトがあれば毒親です。ですが、いわゆる過保護や過干渉といわれる親も毒親にあてはまります。
虐待やネグレクトであれば、わかりやすく毒親ですので子供も成長すれば親元を離れやすくなります。
ですが、過保護や過干渉と呼ばれる親は、自分の親が毒親だと気が付かないケースも多くあります。
それは、過保護や過干渉が親からの愛情だと受け取ってしまうからです。
おそらく、それは間違っていないでしょう。ですが、過保護や過干渉だけではなく「管理・支配・価値観の否定」という行動や態度まで見られるようになると「毒親」と言わざるを得なくなります。
例えば、大人になっても就職先や結婚、子育てにまで口を出してくるような場合や、大人になっても人格や価値観を否定してくるような場合は、親と子供を同一化し、子供を自己実現のひとつの道具としてしか捉えていない可能性も考えられます。
なぜ、毒親になる?
日本では毒親(過干渉)になりやすい環境が整っています。
毒親になる背景
- 母子間の世代間伝達
- 良妻賢母の国
- 核家族化
- 社会的圧力
母子間の世代間伝達
母子間の世代間伝達とは、親自身が毒親の元で育つと、自分が親になったときも毒親になりやすいということです。
親を反面教師にすればよいのですが、自分自身の親が毒親だと気が付かない場合は、どうしても自分の知っている方法で育児をしてしまうため知らないうちに毒親になってしまっています。
では、そもそも何故、毒親が生まれたかと言えば、それは日本の時代背景にあります。
日本は、太平洋戦争や高度経済成長期を経て今があります。激動の時代とも言えますが、同時に親子が一緒に過ごすことが短かった世代でもあります。
親子の愛着が形成されなかったことも考えられますし、自分自身が親とあまり接してこなかったことで子供との関わり方がわからない、とも考えられます。
良妻賢母の国
日本は昔から良妻賢母が求められる国です。それは、子供が「良い子」であれば、賢母なのです。
そして、それと同時に女性には「無償の愛」が求められる国でもあります。
そのような固定観念があるからこそ、母親は「子供を愛さなければならない」と思い込み、母児一体が起こりやすくなります。
また、賢母という観点から見ても、「子供を良い子」に育てようと頑張り過ぎてしまうのです。

核家族化
昨今、日本では核家族化が進み、平均世帯人数は2.39人(2019年)とまで落ち込みをみせています。
これは、単身世帯や少子化の影響でもありますが、一世帯あたりの人数が減れば依存関係がうまれやすい環境になっているとも見ることができます。
核家族ですと、2世帯、3世帯が同居しているお家と比べ、母子密着になりやすい状況ですし、夫が仕事で不在が多いと、なおさら母子未着が加速します。
そのうえ、少子化で子供が少ないので、どうしても子供に目が行き届きやすい状況になってしまいます。
社会的圧力
現代の日本社会には「良い子」が求められています。
例えば、「今、電車のなかで子供が走り回ったらどうなるでしょうか?」。子供らしくて可愛いと言っていくれる人はいるでしょうか。
公共交通機関でさえ、赤ちゃんが泣けば利用しづらい社会です。
例え、地方に住んでいたとしても、「もし、子供が勝手によそ様の畑や田んぼで遊んだらどうなるでしょうか。」
昔のように、花の蜜を吸ったり、木の実を食べれば、何と言われるでしょうか・・・。
現代は昔のように子育てがしやすい環境ではありません。人から何を言われるかわからない時代ですし、SNSで簡単に何でも発信できてしまう世の中です。
こういう世の中で、人に気を使いながら育児をしていると、どうしても先回りして注意をしてしまう過干渉な親になってしまいます。
過干渉になる始まりはこういう出来事からなのかもしれません。
ですが、それがいつ手を放して良いのかわからなくなり、ずーと続いてしまうのかもしれません。
毒親から解放されるためには
さすがに、就職や結婚、子育て、夫婦のことまでに親から口出しをされると、自分の親が過干渉(毒親)であると気づく方が多いようです。
話し合いをすることにより、自分を一人の個として扱ってくれる親なら良いのですが、大抵の場合は人格を否定したり、なんとか依存させようとあの手この手を使ってくる親が多いようです。
過干渉な親のせいで仕事を失いかけたり、結婚生活が危うくなるような場合、また著しく自分が損害を被るような場合には、親とは一定距離を保つことが賢明です。
必要以上に関わらず、必要最低限の付き合いにとどめ、しばらく様子を見てみましょう。
ボイスカウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)
まとめ
毒親から解放されたい~うちの親って毒親?~
なぜ、毒親になる?
母子間の世代間伝達
良妻賢母の国
核家族化
社会的圧力
毒親から解放されるためには