特に理系のお子さんに多い悩みが「国語力」です。国語力をあげるにはどうしたら良いのかと悩んでいる親御さんは多いのではないでしょうか。

それでは、そもそも「国語力」とは何なのでしょうか。そして、国語力をあげるためには、どうしたら良いのでしょうか。

国語力と受験のための国語力

そもそも国語力と受験における国語力は違ったものです。

ですので、読書をしているのにテストでは点が取れない、テストでは点が取れるのに国語力(読解力)がない、ということが起きます。

受験における国語力

受験における国語力で必要となる力は「語彙力」、「文章の構成を知る力」、「何を意図して問題が作られているかを知る力」が必要となります。

文章には、論説文や随筆分、物語文がありますので、それぞれの文章構成と問題の性質を知ることで、解答へたどり着く手がかりをつかむことができます。

受験における国語で点数をあげたいときには、読書では点数があがりませんので、とにかく問題を読み、語彙力、文法力を付け、文章の構成に従い読み解くという練習を繰り返し行うしかありません。

また、語彙力が低いと書いてある内容がつかめない場合がありますので、語彙集を使っても良いでしょ。

受験における国語力は、文章全体の内容をつかみ考えるということではありません。

抜粋部分の文法や文章構成から問題を解くことができますので、「読解力」というより「解体力」のようなものが求められるのかもしれません。

国語力がない理由

受験では国語力に問題がないように見えた場合でも、大学以上になると問われる国語力の性質が変わりますので、読解ができない、文章がまとめられないということが起きます。

それは、大学や社会が求める国語力とは「読解力」と「思考力」、「判断力」になるためです。

例えば、題目を元に自分なりにレポートをまとめなければならないとき、何かの資料や本を元にレポートをまとめなければならないとき。また、新聞や資料、社会情勢からレポートをまとめなければならないとき。

こういう時に、「書けない」ということが起きます。

英語の場合はもっと顕著です。

文法も和訳も英訳もできるのに、和訳をして要約をしろ、と言われると「できない」ということが起きます。

和訳はできるけど、文章の意味がよくわからないから「要約ができない」のです。

受験のために必要となる国語力はあるのに、社会で必要となる国語力が低いという事態になります。

受験のための国語を勉強してきた子供達は、本を読み内容を理解し、自分なりの意見や考えをまとめるという作業をしていません。

それは、「時間がない」ためです。

忙しすぎる小学生

日本の小学校では子供たちの運動能力が下がれば、運動能力を上げようと強化されます。算数や理科の能力が下がれば、それも強化されます。

今では英語やプログラミングまで教科化され、学習しなければなりません。

それでは、本来の教科であった技術や家庭科、音楽、図工、道徳などはどうなったのでしょうか。

もちろん、以前とは変わらず授業は継続されています。

各教科難易度は増し、教科数は増えているのです。日本の教育は足し算教育のようで、教科を増やした分、他の教科を減らし、バランスをとるということをしてくれません。

おそらく、学校も時間の制限から授業中に作文や感想文を書いては何度も書き直すというような、昔ながらの国語の授業もできなくなっているのではないでしょうか。

塾に通っていない小学生の場合、難易度を増した算国理社を家庭で復習することも大変ですし、新たな教科として加わった英語を教えることも大変なことです。

進学塾に通っている場合は、膨大な量を学習しなければならないので、もちろん自由な時間もほとんどなく、乱読に費やすような時間もありません。

今の子供たちは「国語力が低い」と言いますが、それを招いたのはムリなカリキュラムを組んだ大人達と受験産業なのではないでしょうか。

国語力をあげるためには

受験のための国語力をあげるのではなく、純粋に読解力や思考力をあげたいのであれば「乱読」をおすすめします。

自分の興味に関係なく、さまざまなジャンルの本を乱読することで、物事を多角面からとらえ、考える力を養うことができます。

ボイスカウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)

まとめ

国語力をあげるには~読解力と解体力~
国語力と受験のための国語力
受験における国語力
国語力がない理由
忙しすぎる小学生
国語力をあげるためには