私立中学 に入学したのに 成績が上がらない と悩むご家庭が一定数いらっしゃいます。

あれだけ大変な中学受験を乗り越え、勉強方法も確立しているはずなのに、なぜか成績が上がらない・・・。

親御さんからすれば、また地獄の日々の到来のような気分になるでしょう・・・。

上位入学ほど転落しやすい?

偏差値60を超えるような学校では、上位入学のほとんどが手違いで入学してきた子ども達の可能性があります。

第一志望に合格するだけの力も備わっていたのに、当日のメンタルや体調面で不具合が起きてしまった、または時間配分を間違えてしまった、などの本人の能力とは関係のないところでご縁をいただけなかった子ども達です。

こういう子どもたちは、進学塾で猛勉強してきた子達ですので、受験が終わった直後は悔しさで猛勉強します。

ですが、徐々に「まあまあの位置にいればいいんじゃない?」というようなメンタルに変わってくるケースがあります。

親御さんからすれば「どうしてあと6年頑張れないの?」という気持ちになると思いますが、よく考えてみると、死ぬほど勉強したのに努力が報われなかったわけですし、その偏差値帯になると、上位でいるためにはどれくらいの勉強が必要で、どれくらいの完成度が問われるのか、子どもたちは進学塾の経験から体感的にわかっています。

だからこそ、もう一度、自分を奮い起こすことが難しいのかもしれません。

努力が報われて熱望校に入れた子、もしくはそこそこの勉強で中堅校に入った子とは少し事情が変わってくるのです。

報われなかったという経験

たった11歳、12歳という幼い年齢で死ぬほど努力をしたのに報われなかったという経験をしてしまうわけですので、無意識的に自分自身に制限をかけてしまうことはありうることです。

高校受験のように半年間や1年の努力ではありません。5年間、6年間の努力が報われなかったのです。その傷は簡単に癒えるものではないのかもしれません。

大人であれば再起できないほどの強烈な体験です。

それでも、子どもたちは毎日しっかりと学校へ通っていきます。少しずつ友達ができて、部活動もはじまりゆっくりと傷を癒していきます。

成績に関してあまり口出ししない

理想をいえば中間一貫校の場合、1年生の成績がその後の成績を表しますので、ここは抑えておきたいところではありますが、ここで親御さんが口出しをすれば成績が上がるものではありません。

ここから先は、このまま諦めるのか、奮起するのかはお子さん次第になります。ただ、そのためには十分に心が回復することがまず重要となります。

11歳、12歳という年齢で振るいにかけられ、「自分」という人間が否定されたわけですので、通う予定のなかった学校の制服を着、通学できているだけでもすごいことではないでしょうか。

進学塾で上位にいた子達だからこそ、また上位に戻り頑張り続けなければならないことへの大変さも、頑張った=結果にならないことがあるという辛さもわかっているからこその問題なのかもしれません。

ボイスカウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)

まとめ

私立中学に入学したのに成績が上がらない
上位入学ほど転落しやすい?
成績に関してあまり口出ししない