中学受験のため塾に通っていると「もう、やめたい」、「中学受験なんて無理」、「今からでも撤退して高校受験に切り替えた方が無難」と、考えてしまうこともあります。

例え、受験が終わっても難関校に合格した場合には、自頭が良い子供がゴロゴロいるわけですから、まだまだ勉強が続くわけです。

親御さんとしては、続ける自信がなくなることもあります。

中学受験を撤退するタイミング

中学受験を撤退するタイミングとしては、お子さん自身が中学受験をやめると発言した時です。

2020年現在の中学受験は、ちょっと勉強をしたら合格できるというようなレベルの受験ではありません。ましてや、親が無理やり勉強させて合格できるようなあまいものでもありません。

特に進学塾は進度も早く、内容も多く、ひとつひとつが深い内容となっています。

このような莫大な学習量をこなそうと思えば、「好きでなければ継続は難しい。」とも言えます。

お子さんが勉強嫌いでも、「塾が楽しい。」と言い通っているうちは、まだまだ余裕があるということです。

ですが、あからさまに顔色が悪く、ふさぎ込んでいる状態の場合は撤退はやむをえません。

また、お子さんご自身が本当に勉強や塾に面白みを感じないのであれば、ここからの継続は難しくなります。

もちろん、入塾テストに合格し入塾しているわけですので学力が足りないとか、そういう話ではありません。

まだまだ、小学生ですので体力的な問題や精神力、ストレスに対する耐性には個人差があります。

ですので、こればかりは急速に発達するわけではありませんので、お子さん自身が「中学受験をやめたい。」と、言った場合には無理やり続けさせることには無理があります。

偏差値40未満というライン

怒らないと勉強をしない、そういう様子をみていると親御さんとしては「本当に受かりたいの?」と、聞きたくなることもあるかもしれませんし、あまりの能天気さに腹が立つこともあると思います。

本当に腹が立つと「退塾する」という思いも強くなると思いますが、退塾を決めるひとつの目安として「偏差値40未満」というラインがあります。

毎回のテストで偏差値40に届かない場合、そしてお子さん自身にもやる気が見られない場合には撤退を視野に入れてもよいかもしれません。

もちろん、志望校の偏差値がそれほど高くなければ中学受験を撤退する必要はありませんが、塾に関して言えば、中学受験専門ではなく、一般の塾に転塾された方が良いかもしれません。

中学受験専門の塾は、どうしても内容が広範囲になり、ひとつひとつの内容も深くなります。

ですが、志望校が上位校でないのなら、それほどの知識が必要ではない可能性もありますので、お子さんが無理なく学べる塾に転塾された方がお子さんの負担はすくなくすみます。

逆に言えば、偏差値40があり、お子さん自身も塾を継続したいと願っている場合には、まだまだ伸びしろがあるとも言えます。

もちろん、学年にもよりますので、継続、撤退、転塾の最終判断は親御さんがお子さんの様子を見て判断されることがベストです。

まだまだ頑張れるライン

「塾は好きだけど、勉強は嫌い」というお子さんは多く存在します。

ダラダラと長時間勉強している様子を見ると、親子喧嘩にもなり、「もう、やめさせたい。」と思う親御さんも多くいらっしゃいますが、どのお家も似たり寄ったりですので、それほど心配される必要はありません。

「勉強やだ~」、「疲れた~。」、「やりたくない。」と、どれだけ文句を言っていても、楽しく塾へ通っているようならまだ大丈夫です。

長時間に及ぶ進度の早い塾の授業を楽しんで受けているわけですから、文句は言えども「好き」だから継続できているわけです。

夜、塾に行くと、たくさんの子供たちが先生に質問をしている光景をみかけます。また、たくさんの子供たちが自習室で授業が終わった後も勉強に励んでいます。

好きでなければ、できないことです。

また、授業の様子を覗いてみると、子供たちがそれぞれの意見や考えを言っている姿が見られます。

一般的な公立校のような受け身の授業ではなく、子供たちが楽しそうに授業に参加していています。

家ではダラダラと勉強しをているかもしれませんが、塾では結構頑張っていたりするものです。

また、現代の進学塾ではやりきれないくらいの膨大な教材が渡されますが、子供たちはその膨大な宿題をこなして塾へいきます。

これもまた好きでなければできないことのひとつです。

お子さんがダラダラと勉強をしていると腹も立ちますし、可哀想にも見えますし、子供らしい日常を送らせてあげたいと、思う親御さんもたくさんいらっしゃいます。

ですが、なんやかんや文句を言っても、宿題をこなし、楽しんで塾へ通っているということは、「好き」という気持ちがあるからです。

ですので、「もう、無理。やめたい。」と、親御さんが思っても、お子さんがダラダラと勉強をしながらも頑張りたいというのであれば、親御さんはサポートに回るしかないのかもしれません。

無理だと思うのは親の方

子供の様子を見て、「もう、無理。やめたい。」と、思うのは親御さんであり、多くの場合はお子さんではありません。

「親子喧嘩に疲れた。」、「勉強をやらせることに疲れた。」、「勉強をみてあげることに疲れた。」、「プリントの整理やコピー、スケジュール管理に疲れた。」、「気長に待つことに疲れた。」

このような、さまざまな原因が考えられますが、中学受験ではお子さんより焦るのは親御さんです。

お子さん自身がやる気に満ち溢れひとりでも勉強してくれるのなら、親御さんの精神的負担は少なくてすみますが、大抵の場合は、ほとんどすべての勉強をお子さんとやらないといけなくなります。

家事、育児、仕事もして塾弁も作って、スケジュール管理からプリントの整理、コピーまででも大変なのですが、勉強までみるとなったら、もう時間も足りません。

家庭教師をつけるお宅もありますが、家庭教師やフォローアップのための塾に通えない場合には、もう親御さんがやるしかありません。

ですから、親御さんが「もう、無理。」と、思うのは当自然なことです。

とはいえ、お子さんの夢のためには中学受験が必須という場合には時間がなくてもやるしかありません。

では、時間のないなかどのようにお子さんに付き合えばよいのでしょうか。

分担制にする

得意教科については、言われなくても自分でスラスラできるお子さんがおおいです。ダラダラと勉強してしまう教科は苦手教科であったり、面倒くさい教科であることがほとんどです。

ですので、親御さんが見る教科は苦手教科と面倒な教科だけに絞りこむようにしましょう。

苦手教科であれば、例えば、算数なら基礎の考え方だけでもお子さん自身が説明できるようにすること、社会などの面倒な教科は資料集や年号、用語(漢字)といった部分だけ親御さんがチェックし、後はお子さん自身に任せてしまいましょう。

国語が苦手なら語句や漢字のみなど、かなり絞り込んみ、現状のお子さんでは面倒で手を付けないだろうと予測できる部分だけを見るようにします。

メインは、お子さんがひとりで勉強し、苦手な教科や面倒な部分だけは親御さんがチェックするというカタチをとるようにすると、それなりに完成していきます。

高校受験とは違い、中学受験は対象が小学生ですので、すべてをひとりでこなすことはできません。どうしても、手がかかってしまいますが、分担制にするなどして多少なりともサポートするにしましょう。

ボイスカウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)

まとめ

中学受験はもう無理~続けるタイミングやめるタイミング~
中学受験を撤退するタイミング
偏差値40未満というライン
まだまだ頑張れるライン
無理だと思うのは親の方
分担制にする