
ギフテッドの子供の特徴として学校での浮きこぼれがあります。
日本では授業についていけない場合(落ちこぼれ)は問題視されますが、浮きこぼれはまったく問題視されません。
浮きこぼれた子供のおおくは、学校の授業をなんとかやりすごすか、不登校になるしかないような状態です。
これは、義務教育では仕方のないことなのかもしれませんが、授業についていけない子供にはフォローがあるのに対し、浮きこぼれの子供には何のフォローもないことは少々不平等なようにも感じてしまいます。
授業についていけないのなら仕方がないけれど、授業についていけているのなら何の問題もないと、思われる方々もいますが、わかりきった内容の授業を義務教育の9年間毎日受けることは、例え大人であったとしても苦痛であり、拷問にすら感じる毎日なのではないでしょうか。
また、技術大国として発展してきた日本だからこそ、ギフテッドの能力を伸ばさないということは日本経済にとっても大きな損失につながることも考えられます。
浮きこぼれで不登校?
学校の授業についていけなく不登校になることもある、ということは以前からわかっていることですが、浮きこぼれの場合にも不登校になることもあります。
ギフテッドの子供達は理解能力がとても高いです。ですので、教えたこと以上のことがすぐにできてしまいます。また、疑問に思うことも多くあります。
ですが、通常の授業ではそれに対応することはできません。
決まった量の問題をこなし、あとは待ち続けなければなりません。
忍耐強い子は9年間それができるかもしれませんが、「何のために学校に通っているんだろう」と、疑問を抱く子供も少なくありません。
家にいた方が自分に合ったペースで勉強ができると考え、自宅学習にする子供もいます。
そういう子供達に向かって「学校に行きなさい。」と、言うことはなかなか難しいことでもあります。
「学校は勉強だけじゃなく、友達を作ったり、集団行動を学ぶ場所でもある。」と、説明しても、「それなら、どうして休み時間が短くて、学校の大抵の時間は授業なの?」と、子供が疑問を持つためです。
ギフテッドの子供にとって友達と遊ぶことは確かに楽しい時間でもあるのですが、ひとりで自分の興味のあることをする時間もまた大切であり、楽しい時間でもあるのです。
ですので、どちらが「大切」か「楽しいか」では比較できないものでもあります。
低学年のうちは、友達と遊ぶのが楽しくて学校に行ってくれますが、高学年になってくると「自分のペースで勉強を進めたい」、「人と合わせるのが億劫」、「お友達との関わり方がわからない」というような理由で行き渋りが起こることもあります。
学校生活の工夫
では、どうしたら楽しく学校に通えるのでしょうか。
一般的な公立校では、授業のレベルを少し低めに設定しています。ですので、問題が終わったあと、待ち時間が長くなってしまいます。
待ち時間をなくすためには、先生に相談し追加のプリントを作ってもらうか、ムリなら自宅から問題集や本の持ち込みを許可してもらうなど、相談することをおススメします。
また、先生のなかには早く終わった子供をマメ先生にして他の生徒に教えるよう指示をする先生もいます。
このような場合は、子供自身が「どうしたらわかりやすく教えられるか?」など工夫を考えますので、それもまたひとつの大事な時間となります。
昔から「待つことも練習」と言われますが、小学校・中学校になってまで毎日待たされていれば、もはや練習と言うことはできません。
もし、先生に相談することが難しいようなら、心療内科や療育センターで受けた知能テストの結果を学校へ持って行くといいでしょう。
親御さんが一生懸命説明するよりも、論理的に理解しやすいかもしれません。
お友達は大事
もし、通われている学校が雰囲気の良い学校で、子供たち自身がそれぞれの「個性」を認めあえるような集団ですと、ギフテッドの「個性」も受け入れられ、お友達と楽しく学校生活を送ることができます。
その場合は、ギフテッドの子供達にとっても居心地の良い環境となりプラスの要因として働くこともあります。
ですが、ギフテッドの個性を受け入れず、いじめのターゲットとするような場合は、頑張って学校に通ってもプラス要因はなく、マイナス要因の方が多くなってしまいます。
そのために起きる、対人恐怖症やうつ病などの2次障害の発症の方が心配です。
その場合は、教育スタイルを変える、学校を変えるなどの選択が必要となります。
ボイスカウンセラー
齋藤 唯衣(さいとう ゆい)
まとめ
ギフテッドの子供の特徴と学校生活~浮きこぼれで不登校?~
浮きこぼれで不登校?
学校生活の工夫
お友達は大事